比較表を作った狙い
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AI契約レビューサービスは、ここ数年で市場に十数社規模のプレイヤーがひしめく分野になりました。しかし各社の紹介ページは機能アピールが中心で、運営会社や料金体系の種類、無料トライアルの有無といった「比較に必要な事実」だけを横並びで確認できる場所は多くありません。このページでは、主要な8サービスについて、各社の公式サイトで確認できた事実のみを比較軸として整理しています。推奨や順位付けではなく、あくまで判断材料としての事実整理である点にご留意ください。
比較検討にあたる読者の多くは、日々の契約審査業務と並行して情報収集をしなければならない立場にあります。各社の資料請求フォームに個別に問い合わせて情報を集めるだけでも相応の時間がかかるため、このページでは公式サイトを一つひとつ確認したうえで、比較に必要な最小限の事実をあらかじめ整理しておくことを目的としています。
比較軸の読み方
比較表では「運営会社」「サービス形態」「主な機能領域」「料金体系の種類」「無料プラン・トライアルの有無」「公表されている実績」の六つの軸を採用しています。「主な機能領域」は、法務AIが担う四つの領域(レビュー・作成・管理・調査)のうち、各社が公式サイトで前面に打ち出している領域を整理したものです。複数領域にまたがるサービスも多く、境界は厳密ではない点をご了承ください。
「料金体系の種類」は、月額固定・見積もり制・サブスクリプションといった課金の枠組みを示すものであり、具体的な金額は各社の営業窓口への確認が前提となる項目がほとんどです。本表では、公式サイトに具体的な金額が明記されていた場合のみ金額を記載し、それ以外は「要問い合わせ」「見積もり制」など課金の枠組みのみを記載しています。「公表されている実績」の欄も同様に、各社の公式サイトに記載のあった数値・事実のみを転記しており、記載がない場合は「公式サイト参照」としています。
比較表:AI契約レビューサービス(8社)
| サービス名 | 運営会社 | サービス形態 | 主な機能領域 | 料金体系の種類 | 無料プラン・トライアル | 公表されている実績 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| LegalOn Cloud | 株式会社LegalOn Technologies | AI法務プラットフォーム(契約審査・管理・CLM・法令調査を同一基盤で提供) | レビュー・管理・調査 | プラン制(複数プラン、詳細は要問い合わせ) | 無料デモあり | グローバル9,000社超が導入(2026年7月時点、公式サイト記載) |
| GVA assist(現OLGA) | GVA TECH株式会社(2024年11月に「GVA assist」等を「OLGA」へ名称統合) | 法務オートメーション(AI契約レビュー・案件管理・契約台帳の自動作成、独自の審査基準を反映できる点が特徴) | レビュー・管理 | 初期費用+月額の見積もり制(複数年契約割引・少人数法務割引等の割引プランありと公式サイトに記載) | 公式サイトに無料プランの明記なし | 顧客継続率99%以上、2024年12月に東証グロース市場へ上場(証券コード298A0) |
| LeCHECK | 株式会社リセ | AI契約書レビュー支援クラウド(100種類以上の契約書類型に対応、日英両対応) | レビュー | サブスクリプション(複数プラン、年間契約+初期費用) | 無料トライアルあり | 累計導入企業5,000社超(2026年1月時点) |
| LAWGUE | FRAIM株式会社 | クラウド型ドキュメントワークスペース(契約書・社内規程の作成からレビューまで) | 作成・レビュー | 公式サイトに金額の記載なし(要問い合わせ) | 公式サイトに明記なし | 導入企業数百社超(企業・弁護士法人・社会保険労務士事務所・自治体等、公式サイト記載) |
| Hubble | 株式会社Hubble | AI契約業務・管理クラウド(作成から締結後の管理までを一元化) | 作成・管理 | 見積もり制(要問い合わせ) | 見積もり・トライアル相談窓口あり | 継続契約率99%、大塚製薬・パナソニック・日本郵便等の導入企業例を公式サイトに掲載 |
| MNTSQ | MNTSQ株式会社 | 契約データベース・CLM(機械学習による契約データの解析が特徴) | 管理・調査 | 初期費用+月額の見積もり制 | 資料請求・デモの案内あり | 大手企業50社以上が利用(公式サイト記載)。IHI・江崎グリコ・オムロン・小松製作所・MUFG等の導入企業例を掲載 |
| ContractS CLM | ContractS株式会社 | クラウド型契約ライフサイクル管理(相談・審査・締結・更新・管理を一気通貫で提供) | 作成・レビュー・管理 | プラン制(要問い合わせ) | 無料体験デモあり | 導入企業ロゴを40社以上掲載(大企業からベンチャーまで) |
| Legalscape | 株式会社Legalscape | 法律文献・判例のAIリサーチプラットフォーム | 調査 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 |
2026年9月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。
各社の沿革や特徴を掘り下げたプロフィールはプレイヤー別プロフィールで解説しています。表だけでは分かりにくい「向いている企業規模」や「特徴的な機能」を知りたい場合は、あわせてご確認ください。
表を読むときの注意点
まず注意していただきたいのは、「GVA assist」と「OLGA」が同一の運営会社(GVA TECH株式会社)による同一サービスであるという点です。同社は2024年11月1日に「GVA assist」「GVA manage」等の各サービスを「OLGA(オルガ)」へ名称統合すると公表しており、現在の公式サイトはOLGAの名称で運営されています。一方で旧称「GVA assist」での言及も市場に多く残っているため、本表では一つの行に両方の名称を併記し、別サービスとして二重に数えないようにしています。詳細な経緯はプレイヤー別プロフィールをご確認ください。
また、「公表されている実績」欄の数値は、各社が発表時点で公式サイトに掲載していたものであり、時間の経過とともに更新される可能性があります。特にLegalOn CloudやLeCHECKのように導入社数を明示しているサービスは、公表の都度、数値が更新されていく傾向にあるため、意思決定の直前には各社公式サイトで最新の数値を確認することを強くおすすめします。
比較の前提となる法務省の整理
AI契約レビューサービスの利用が弁護士法72条(非弁行為の禁止)に抵触しないかという論点については、法務省が「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」(法務省、2023年8月)を公表し、サービス提供が同条に違反しないと考えられる場合の考え方を整理しています。比較表に掲載した各サービスも、契約審査の最終判断を利用者自身が行うことを前提とした「支援ツール」として提供されている点は共通しており、この前提を崩す使い方(AIの出力をそのまま相手方への回答とするなど)をしないことは、どのサービスを選ぶ場合でも社内ルールとして明文化しておく必要があります。条文の内容と法務省の整理の読み方は法務省ガイドラインと弁護士法72条の整理で詳しく解説しています。
企業規模・体制別の読み解き方
法務担当者が一人、あるいは兼任という体制の企業では、まず契約審査に特化したサービス(LeCHECK、LAWGUEなど)で「読み込み量そのものを減らす」ことを優先し、契約の可視化や管理体制の構築は事業成長にあわせて段階的に検討するという進め方が現実的です。一人法務における導入順序の考え方は一人法務の導入順序とROIの測り方で詳しく解説しています。
一方、すでに法務部門として複数名の体制がある企業では、契約審査の効率化に加えて、契約データ全体の可視化・管理(LegalOn Cloud、ContractS CLM、MNTSQ、Hubbleなど)を同時に検討する価値があります。CLMという考え方そのものについてはCLM比較と導入設計で扱っています。いずれの規模でも、まずは自社の契約業務のどこにボトルネックがあるかを棚卸しすることが、比較検討を遠回りさせない出発点になります。
業種による違いも見逃せません。取引先ごとに契約書のひな形が大きく異なる業種(不動産、建設、人材サービスなど)では、契約類型ごとの審査基準(プレイブック)を柔軟にカスタマイズできるかどうかが選定の分かれ目になりやすく、逆に契約書の定型性が高い業種(SaaS・ITサービスなど)では、汎用的なテンプレートの網羅性の方が重視される傾向にあります。自社の契約書の多様性がどの程度かも、比較検討の際に意識しておきたい観点です。
よくある質問
比較表に順位や点数がないのはなぜですか。
本サイトでは、特定のサービスを推奨や最上級の表現で評価・順位付けすることを避ける編集方針をとっています。法務AIの評価は、自社の契約件数、業種、既存システムとの連携要件によって最適解が大きく変わるため、画一的な点数付けはかえって判断を誤らせる可能性があると考えているためです。比較表では、運営会社や料金体系の種類といった事実項目のみを整理し、判断そのものは読者にゆだねる構成にしています。
比較表に掲載されていないサービスもありますか。
はい。本ページで扱う8社は、法務省のガイドラインが公表された背景や市場での知名度を踏まえて選定した主要サービスであり、AI契約レビュー市場に存在するすべてのサービスを網羅しているわけではありません。掲載されていないサービスについても、本サイトの編集方針に沿った形で今後追加を検討する可能性があります。
料金が「要問い合わせ」となっているのはなぜですか。
各社の公式サイトを確認した時点(2026年9月28日)で、具体的な金額が公開されていなかったサービスについては、推測で金額を記載することを避け、「要問い合わせ」「見積もり制」として整理しています。料金は企業規模や利用機能によって変動することが多いため、正確な見積もりは各社の営業窓口に直接確認することをおすすめします。
比較表の内容はどのくらいの頻度で更新されますか。
比較表は、各社の公式サイトの表示内容が大きく変わった際や、定期的な棚卸しのタイミングで更新する方針です。更新履歴の管理は運営者側で行っており、各ページの「最終更新日」欄で直近の確認日を確認できます。
まとめ:次に読むページ
AI契約レビューサービスの比較では、機能の華やかさよりも、運営会社の実態、料金体系の枠組み、そして自社の業務のどこに効くのかという三点を事実ベースで確認することが重要です。次はプレイヤー別プロフィールで各社の沿革と特徴を確認するか、法務省ガイドラインと弁護士法72条の整理で導入時の法的な論点を確認してください。
